鐵鋼スラグ協会は、鉄鋼スラグ製品に関する調査・研究、普及活動を行っています。
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高炉水砕スラグは、天然材に比べ軽量であるため、サンドマット材の一部に採用されています。
一方で、製鋼スラグは、形状は稜角に富み、表面は粗で、天然の砕石や砂に類似した特徴を有しています。
粒子密度は3.3〜3.6g/cm
3
と天然石材と比較して大きく、単位体積質量も湿潤状態で21〜23kN/m
3
、水中で14〜16kN/m
3
と重くなっています。
また、製鋼スラグの粒度は37.5〜0.075mmの範囲で、せん断抵抗角はゆる詰めの場合でも40°以上が得られます。また、粘着力は50〜100kN/m
2
程度あります。
製鋼スラグからの溶出水は、海洋汚染および海上災害の防止に関する法律による判定基準を満足しています。また、スラグからの溶出水のpH は通常高い値を示しますが、海域で利用した場合には、海水成分による緩衝作用と希釈などにより周辺海域のpH の上昇はほとんどないことが確認されています。
周辺海域への影響を実証
鐵鋼スラグ協会は、1993年度から(財)沿岸開発技術研究センターと共同で製鋼スラグの港湾工事用材料としての適用技術の研究に着手し、20年に『港湾工事用製鋼スラグ利用手引書』を発行しました。この研究では、物理特性だけでなく、神戸ポートアイランドで陸上サンドコンパクションパイル(SCP)、広島港で海上SCPの試験工事を行い、海域に与える影響も調査しました。SCPとは、軟弱地盤中に締め固めた砂の杭を打ち込むことで地盤の強度を上げる地盤改良工法です。地盤改良用製鋼スラグは、天然の砂に比べて単位体積質量とせん断抵抗角が大きいという地盤工学的特性を活かし、地盤改良工事の工費低減を可能とすることがわかりました。
また、製鋼スラグの適用による海域への環境影響については、製鋼スラグからの溶出水のpHは通常高い値を示すものの、SCP中詰材として利用した場合にはケーシングパイプ中に封じ込められて施工され、海水と直接接触することがほとんどないため、周辺海域のpH の上昇はほとんどないことが確認されています。
SCP材料に天然砂の代替として製鋼スラグが利用可能と評価されたことで、広島港の約400万tをはじめ各地の港湾で利用されました。特に、瀬戸内海などでは、自然保護の観点から海砂採取を禁止する自治体が増えたこともあり、SCP中詰材として地盤改良用製鋼スラグは急速に普及することとなりました。
サンドコンパクションパイル
広島ポートルネッサンス 出島地区
広島港海上SCP施工箇所の断面
超軟弱地盤の沈下対策 ─北九州空港
2000〜2002年にかけて、北九州空港の軟弱地盤改良工事で約150万tの高炉水砕スラグが使われました。北九州空港は周防灘の沖合約3kmに建設され、北九州2000〜2002年にかけて、北九州空港の軟弱地盤改良工事で約150万tの高炉水砕スラグが使われました。北九州空港は周防灘の沖合約3km に建設され、北九州港や苅田港などの航路整備で発生する浚渫土を埋め立てに活用したため、超軟弱地盤の沈下対策が求められました。浚渫土は自然状態のままでは強固な地盤になるまでに、相当長期間かかると言われています。超軟弱地盤を早期に強固な地盤にするため、空港建設ではサンドマットを施工し、ペーパードレーン工法による地盤改良が行われました。高炉水砕スラグは、天然材に比べて軽量であるため、埋立地の沈下量を低減させることが評価され、サンドマット材の一部に採用されました。工事は新門司沖の第一工区で海砂層90cm厚の上に高炉水砕スラグ60cm厚(約55万m
3
)、第二工区で海砂層90cm厚の上に高炉水砕スラグ90cm厚(約65万m
3
)が敷設されました。
北九州空港
新北九州空港(地盤改良工事中)
地盤改良用製鋼スラグ関連資料
地盤改良用製鋼スラグ
762KB
グリーン購入法指定
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