高炉セメントB種の特別評価方法

高炉セメントB種の特別評価方法

住宅品確法・住宅性能表示制度の概要

住宅の品質確保の促進・住宅購入者等の利益の保護、住宅に係わる紛争の迅速かつ適正な解決を図ることを目的に「住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品確法)」が、平成 12年4月に施行されました。また、住宅の性能に関する表示の適正化を図るため、住宅性能表示制度が創設され、日本住宅性能表示基準および評価方法基準が設けられました。 評価方法基準では、「劣化の軽減に関すること」において、劣化対策等級(構造躯体等)として、次のように分類しています。

等級 住宅の構造躯体等に講じられている対策
3 住宅が限界状態に至るまでの期間が 3世代以上 (75~90年間)となるための必要な対策
2 住宅が限界状態に至るまでの期間が 2世代以上 (50~60年間)となるための必要な対策
1 建設基準法に定める対策
※鉄筋コンクリート造および鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅の場合は、コンクリートの中性化を考慮して等級が定められています。

評価方法の基準における高炉セメントの扱い

鉄筋コンクリート造および鉄骨鉄筋コンクリート造の住宅において、高炉セメントを用いて等級3および等級2を表示するためには、告示で、「コンクリートの水セメント比の算定に当たり、高炉セメントに含まれる高炉スラグの10分の3を除いた部分をその重量として用いるものとする。」と規定されています。
告示に従うと、高炉セメントは普通セメントに比べ、水セメント比を7~8%小さくする必要があり、単位セメント量が著しく増加し、コンクリートの品質に悪影響が予想され、また、経済的にも不利となります。そこで、鐵鋼スラグ協会では次に述べる国土交通大臣の特別評価方法認定を取得しております。

鐵鋼スラグ協会が取得した特別評価方法の概要

次の(1)~(3)の条件を満たす場合、水セメント比の算定に当たっては、高炉スラグの質量を除かないこととする。

  • 地下に存する部分(直接外気に接する部分を除く。)について適用する。
  • 高炉セメントB種 (高炉スラグの分量が質量比で45%以下のものに限る。)を使用したコンクリートが用いられていること。
  • 直接土に接する部分は、最小かぶり厚さが告示より 1cm増しであること。また、直接土に接しない部分は、最小かぶり厚さが告示より2cm増しであること。

品確法告示で定められた水セメント比

劣化対策等級 (イ) (ロ)
劣化対策等級 (イ) (ロ)
等級 3 50%以下 55%以下
等級 2 55%以下 60%以下
等級 1 建築基準法を満足する値

最小かぶり厚さ

表:最小かぶり厚さ
*基礎(立ち上がり部分及び捨てコンクリートの部分を除く)には、場所打ち杭を含む。

同認定書の運用方法

本特別評価方法に応じて高炉セメントB種を使用する場合は、認定書の写しを設計図書に添付し、指定住宅性能評価機関に提出して内容をご説明下さい。
この特別評価方法認定は、全国で誰でも自由に利用することができます。国土交通大臣が認定した特別評価方法認定書および財団法人日本建築センターの試験結果証明書の本文は、以下からダウンロードすることができます。