特長・基本的性質

地球環境への貢献

01.省資源・省エネルギー

省資源

石灰石資源の節約

高炉セメントは
ポルトランドセメントの
40~45%を高炉スラグに置き換え

石灰石資源を約43%削減

省エネ

省エネルギー効果

高炉セメントは
ポルトランドセメントに比べ

製造エネルギーを約40%削減

CO2削減

地球温暖化の原因となる二酸化炭素発生量抑制

ポルトランドセメント製造時の石灰石の熱分解や石炭の使用などに起因する

二酸化炭素排出量を約42%削減

リサイクル

副産物の有効利用

高炉セメントは高炉水砕スラグの潜在水硬性を最も利用した

リサイクル製品

  • 地球温暖化防止(CO2削減)に大きく貢献
  • グリーン購入法特定調達品目指定
  • エコまち法:低炭素建築物認定の選択対策対象
  • 国土交通省「公共建築工事標準仕様書」:場所打ちコンクリート杭のセメントは高炉セメントB種が標準
  • CASBEEでは、高炉セメント使用により環境ポイント
  • 日本建築学会「高炉セメントまたは高炉スラグ微粉末を用いた鉄筋コンクリート造建築物の設計・施工指針(案)・同解説」を発刊(以下、高炉セメント指針)

02.CO2排出削減約42%

表:CO2排出削減の成果
*1 セメント品種別インベントリデータ一覧表(セメント協会HP:2021.4. より抜粋)

高炉セメントコンクリートの基本的性質

01.強度発現性

高炉セメントコンクリートの強度発現性を示した折れ線グラフ
  • 高炉セメントは初期材齢の強度発現性がやや遅い
    初期(材齢3,7日)強度は普通ポルトランドセメントの約75%
  • 材齢28日の強度は同程度になる
  • 長期材齢では普通ポルトランドセメントより強度は高くなる
  • 長期材齢設計によりセメント量を削減できる

02.強度の温度依存性

計画供用期間65年の場合のせき板の存置期間(日本建築学会)

計画供用期間65年の場合のせき板の存置期間(日本建築学会)を示した表

冬季に高炉セメントを施工する場合の注意事項

  • 反応遅延で強度発現低下
  • コンクリートの凝結が遅延
  • 初期養生厳守が重要
  • 保温養生や給熱養生の実施
  • 温度・養生の影響度は普通ポルトランドセメントより大きい

高炉セメントの利点(耐久性能)

01.塩分遮蔽効果

高炉セメントの塩分遮蔽性能(EPMA写真)

図:高炉セメントの塩分遮蔽性能(EPMA写真)
  • 塩害抵抗性が向上(海岸や積雪寒冷地凍結防止剤の塩害対策に有効)

02.アルカリシリカ(ASR)反応抵抗性

高炉セメントのASR抑制効果

高炉セメントのASR抑制効果を示す折れ線グラフ
  • 高炉セメントの使用はASR抑制対策(国土交通省の通達に反映)

03.化学抵抗性

耐薬品性試験(5wt% H2SO4 浸漬、浸漬期間:1ヶ月)

耐薬品性試験(5wt% H2SO4 浸漬、浸漬期間:1ヶ月)を示す表
  • 酸や硫酸塩への抵抗性が高い(下水道や温泉地の使用に有効)

04.一般環境における耐久性

水セメント比と耐用年数100年のかぶりの関係

水セメント比と耐用年数100年のかぶりの関係を示す折れ線グラフ。水分浸透で照査。
※土木学会 2017年制定コンクリート標準示方書改訂資料より、作図

コンクリートの耐久設計基準強度

表:コンクリートの耐久設計基準強度
  • 日本建築学会・高炉セメント指針では高炉セメントの耐久設計基準強度は、普通ポルトランドセメントと同じ値を定めている
  • 住宅の品質確保の促進に関する法律の住宅性能表示制度に対して、鐵鋼スラグ協会では国土交通大臣の特別評価方法の認定を取得しているので、ご活用ください

発熱特性と収縮特性

01.発熱特性

鉄鋼スラグの発熱特性を示す折れ線グラフ
  • 高炉セメントは初期発熱速度は緩やかで、マスコンの温度ひび割れ抑制の効果がある
  • 材齢経過に伴い蓄積発熱も増大し、終局断熱温度上昇量は、普通ポルトランドセメントとほぼ同程度である
  • 鐵鋼スラグ協会加盟会社では、低発熱型高炉セメントを上市している

02.収縮特性

鉄鋼スラグの収縮特性を示す折れ線グラフ
  • コンクリート乾燥収縮量はセメントによる違いは無い
  • セメント種に比べ、骨材岩種による差の方が大きい

その他の特徴

01.養生

高炉セメントは水和速度が遅く強度発現が遅延するため、コンクリートの養生期間を延長するとともに、養生を入念に行う必要がある。

02.地盤改良材

高炉セメントが適用可能な土質は、砂質土、粘性土、シルト質土等の一般軟弱土がある。
還元雰囲気で製造される高炉スラグにはCr6+を含まないことから、高炉セメントはCr6+含有量が少なく、改良土からの溶出量は少ない。